sh_universe’s blog

広島県在住。メーカー研究職。1児の父。

森博嗣『夢の叶え方を知っていますか?』

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作者の森博嗣という人について、SF小説を書く人だということしか知らなかった。
本業は大学の教員で、彼の小さいころからの夢である「庭に鉄道を走らせること」のために、資金を得る手段として選んだのが小説というだったというおもしろい生い立ちを知って、その彼の生きざまを綴ったこの本を読んでみたくなった。

面白いと思った内容

「夢」とは何か

例えば、犬は何かを食べたい、遊びたいという欲求に従って行動している。それと、自分の夢を叶えるための行動している人間との違いは何か。それは、自分の姿を客観的に見つめ、自分はどうあるべきか、どうなりたいか、という「姿」を思い描いているかどうかという違いにある。この点で、「のんびり暮らしたい」「おいしいものを食べたい」のようなものは「夢」というよりも「欲求」に近い。「子供を育てたい」というのも、人間の生き物としての欲求に従っているだけの可能性がある。

工作キットは夢をしぼませる

小学生の夏休みの工作を手助けするものとして、買ってきてそれを組み立てるだけで何かが作れる、キットがある。でもこれを作るだけでは、子供が何を作るか、どうやって作るかを考えるわけではない。それでは、子供の創造性を育むことにはならない。本来、夏休みの工作を通して育てるべきなのは、自分が作りたいもの、欲しいものを、どうやったら作れるかを考えて、そのために必要なもの、ことを考えて、調達して、作り上げていく、そのプロセスを進めていく力である。夢を抱くことの価値は、自分がしたいこと、欲しいもののことを考える、その楽しさにある。

そして、自分はどうするか

最近、昔からの友人と話していて、趣味や熱中できるものを失ってしまっていることに気が付いた。冬になればスキーをするけど、それも好きだからしているだけであって、何か夢があるかというとそうでもない。バイクに乗るけど、忙しくなると週末にも乗らなくなってしまう。

自分がしていて楽しいことは何だろうか。自分が得意なことは何だろうか。そういうものを大事にできていない気がする。だから、毎日が、今までの人生が中途半端になってしまっている実感がある。得意なことも、人より優れていることも何もないけど、できることをやってみようと思って、このブログを書いていくことにした。
これからは、こんな形で読んだ本のことを書いていったりもしてみようと思う。